GDCのThe Making of Pandemic Legacy講演のメモ書き

Posted: 2017年3月19日 カテゴリー: ゲームデザイン, ボードゲーム, GDC
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ドーモお久しぶりです。預金残高10万円ぐらいですが、一応生きてます。

GDC Vaultで今年のGDC講演公開され始めてるので、見始めた所、今年から始まったBoard Game Design Dayの公演が結構面白かったので、その内容のメモ書きを残しておきます。主に個人用で清書も図形書いたりもやってないので、基本読みにくい&汚いです。

この記事では”The Making of Pandemic Legacy”の公演内容のメモ書きをします。

ちなみに自分はパンデミックレガシーは未プレイなので、何か間違えている可能性大です

講演動画:

 

背景紹介

自己紹介:

Matt Leacock

 – Pandemicシリーズ、KnitWit、Chariot Race等のゲームデザイナー

 – 2年半ぐらい前からフルタイムでゲームデザイナーになった

 – Pandemicの成功の影響でその道を選ぶ事になった

Rob Daviau

 – Clue, Riskシリーズ等のゲームデザイナー

 – 1998~現在までゲームデザイナーとして活動

 – 2011年にRisk Legacyを制作

 – Legacyシリーズは1回セッションで行った行動が次回以降のセッションに影響を与える所、シールとかカード破くとか

Pandemic Legacyが始まるまでの流れ

 – 2013年にMattがRobにPandemic Legacyやらない?って持ちかけた

 – Pandemicをどうしようかと話している時にカードゲーム化とかの案とかがあったけど、その中で「Legacyを作れば良いんじゃね?」って冗談っぽく言ったけど、やりたくなって本気で可能か持ち掛けた

 – Robはその問い合わせに直ぐYESと返答。何故なら会社を設立したばかりでとにかく仕事を探してたから!

 – 最初に始めた2013年9月の時点ではわからない事だらけだった

 – まず何の要素が”Legacy”ゲームを”Legacy”にしているかを探り始めた

Legacyゲームに合う要素:

 – コアな部分(主にルール)がシンプル

        – ルールがシンプルだしゲームを遊ばない人でもわかりやすいし、協力型だからゲーム詳しい人が手助けできる

 – テーマがしっかりとしてわかりやすい

        – ウィルスが蔓延してヤバいってのは分かりやすいし、プレイヤーを虐めるにはたーのしー!方法

        – ストーリーの基盤としては十分な要素がある(UNOみたいに全く無いわけじゃない)

 – Legacyのゲームはまずシンプルかつ世界観を後付け出来るのが大事

        – デザインしている時はルールで詰まってその時はストーリーを考えたり、ストーリデー詰まったらルールに戻って考え直して交代していっている

どうやって1個のゲームで20種類のゲーム体験を構築し、破たんしないようにする?

        – 幾つか検証してみた

        – 1個目はRisk Legacyでやった事。ゲームのトリガーが入っている封筒を用意し、ゲームが何時空けるか支持を飛ばす

                – プレイヤーは幾つかあるルートを辿ってエンディングにたどり着く

                – Risk Legacyでは上手くいった。ただ、Risk Legacyは箱庭的ゲームで精密なシナリオを遊んだ感を出す物で無く、遊び場で遊んだ感じの物語性

                – 上手く行くと思ったが、話し合った結果もっとロジカルな道筋が有る物が欲しかった

        – 2個目はルートが枝分かれしていく方法

                – 問題に結構ぶつかった。

                – 例としては、短いルートに入ってしまったら、ちょっとしかゲームが遊べなくて持った無い感や、満足感が足りないゲームになってしまう

                – 製作者としてはコンテンツの殆どがプレイヤーが遊ばないまま終わるのはしっくりこなかった。

                – 結果として、結構早めにこの案は捨てた

        – 3個目は結構賢い方法。1本道!

                – 開始と終了は決まってるが、道筋がプレイヤーの選択肢によって変わる。それによって体験が毎回違う様にする。

                – 実際にそれをどうやってやるかを検証した。どうやって毎回違う体験を提供する?

                        – “Legacyデッキ”を用意した

                        – それらをめくっていく事で新しい事象やキャラ、ルール等が追加されていく

                        – その結果、説明書に「もしデッキを落としたらゲームを遊んでない人に拾って貰って適当に並べて貰う」が追加された(ボードゲーム史上初かもねw)

                – これで目的は果たせた、だけどこの案で何種類のゲームを遊んで貰いたい?何回分の体験を提供したい?(ゲームデザインよりもコンセプトの話)

                        – 1000時間のゲームを用意しても誰も遊びきれない。逆に6個だけでも物足りないと言われる

                        – Risk Legacyでは15種類にした。これは調度良かった。だから12~15個ぐらいにして考えた

                        – 12個なら月毎になら分けられるね!って事でそうなった。

どうやってバランスを取る?

        – Riskは対人戦だったから良かったが、これは対ゲーム戦なので、上手く調整する必要がある

        – イベントカード

                – 様々な効果がある特殊カード

                – 初期に何枚か配る

                – バランスを取る様にプレイの成績によって枚数調整をした

                – これはプレイテスト中に思いついた案

                – これによって、遊ぶ度、それと遊ぶ人によってに調整が変わる

        – 勝てば次のステップに進み、負ければもう一度再挑戦出来る様にした

                – ただ永遠に続けられる様にはしたくなかった。

                – 負け続けると1月に留まり続けて経験値稼ぎしてるみたいになる

                – また別のリスクとして、失敗時に特典が溜まりすぎると、最初にそれを貯めてから無双すれば良いじゃん、にならない様に気を付ける必要がある

        

        – この状態だと失敗しても特典付きでの再挑戦の権利があるから成功する意義が減る。

                – なので、成功報酬として勝利ボーナスを追加

                – 勝った方が良いと言わなきゃいけないのは変な話ではあるが、ゲーマー相手だと仕方ない所もある

                – ニンジンぶら下げる事にしたが、報酬の内容があると失敗時との比較でどちらの方が良いか考え始める

                        – 結果負けた方が良い事もあった

                – だからわからない様にし、さらに失敗時にはそれが何だったかわからない様にし、再度使えない様にした

                – それで失敗すると内容を知らずに終わっちゃうという恐れから、真面目に勝ちを目指す

                        – これはLegacyゲームにおいては凄く大きい導線

                – ボーナスの内容としては何とか勝った勝ちが有る物に                

        – これで勝ちの方が多く起こる様なバランスになった

バランスを取ったからどうやってストーリーを伝える?

        – 23枚のカードでストーリーを伝える

        – 内容としては、馴染みの有るような物にしてプレイヤー各々が行間を埋められる様にする必要がある

                – 「あー、こうなるよねー」「そうそう、そりゃーここでこのキャラが来るよね」みたいな

        – これを作るためには普遍的な物に凄く頼る必要があった

        – 調度作ってる時期にCaptain Americaが上映されていた

        – これが調度70年代の物を現代にリメイクしてたり、アクションやドラマがあり調度それっぽかった

        – という事は今12か月に区切ってる時間3幕構成に出来るんじゃね?(シド・フィールドの本にあるやつ)

                – 映画シナリオを書いた事も勉強した事も無いから自己流だから間違ってるかもね

        – リサーチしてる時に「Hamlet’s Hit Points」を読んだ

                – https://www.amazon.co.jp/Hamlets-Points-English-Robin-Laws-ebook/dp/B009AZM4CS/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1489890932&sr=8-1&keywords=Hamlet%27s+Hit+Points

                – “Up beat” と”Down beat”について学んだ

                – Upは主人公が目的に向かって進んでる所。ポジティブな感情が出来る箇所

                – Downは主人公を目的から遠ざける所。主人公自身の内面的な苦悩からくるドラマチックな物とかがある

                – 他にももっとわかりにくい物もある

                – 先の展開を予測出来る事はゲームに緊張感を与える事からDown beatを与える

                – それが明らかになった時はUp beatを与える

        – これを元にPandemicの数ある状況を一つづつ検証していってどんな感情になるかを見ていった

                – Epidemicが出て状況が悪化したー!って時はDown beatを与える、等

        – これらを検証していき、それを3部構成に当てはめて行ける

        – 取り合えずAct1とAct2の最後には悪い事が起こらなきゃね!

                – おびわんは死なないと・・・

        – 4月と8月に悪い事を起こす

        – そこに辿りつくまでには直前はUp beatにしないといけない

        – そこまでの工程もUpとDownを繰り返す様にする

        – これを作り上げている過程で問題や事件ばっかりを連続で投げるとペース配分として成り立たないから問題>少しの解決>問題になる様に

                – 2月の終わりに何かを起こすのと3月の始まりに何かを起こすのはゲーム的には同じ事

                – ただ、何かを2月の終わりに起こしたら次に月が始まるまでのクリフハンガーになる(「次回:〇〇の正体が明らかに!」的なやつ)

                – 次のゲームが始まるまでにその事案の飲み込み、考える余地が生まれる

                – もしこれを3月の初めに起こしたらそのまますぐゲームが進行して考えを巡らす余裕が少ない

        – こうしたテンションの上げ下げの組み合わせを色々動かしながら試した

        

 各月毎にブリーフィングのカードがある

        – 物語の半分ぐらいはここで行われる

        – 一つのカードに出来るだけの背景説明を含む様にしている

                – 「やる事は分かっているな?」= 貴方は経験があるベテランである

                – 「4種のウイルスが問題を起こしている」= 世界観の再定義/解説

                – 「普段より早く変質している」= 悲惨な結末の前兆。不穏感出す

                – 「捜査に送っている」= 誰がその人かという謎の提示

                – 落ち着け、けどヤバくはある、みたいな〆

        – これらの要素で色々な事を提示しようとした

        – ただ、延々とカードを読み込むのはやりたかった事じゃないので、空くまでも文字でのストーリー提供は限定的

        

        – 全体の目標として、最小限の要素で最大の効果を出そうとした

                – ステッカーは心理的な傷

                – 小さい情報量でどうしようかと考えたが、最初の「インソムニア」等のステータスで情報としてはロールプレイするには十分だった

                        – これが有る事でルールの説明だけの時よりもストーリーに取っ掛かりが付く様になった

                – こういうゲームを遊ぶプレイヤーは自分の物語を語りたがる

                        – ただ手札上限があるだと「あ、そう」

                        – だけど状態の情報があると、「何で手札上限6枚だけなの?」「眠れないからだよ!!」とロールプレイが出来る

                        – こういう事を言える為の一つの要素を提供したかった

                        – PTSDだと「あそこには戻れないんだ・・・」「だからあそこだけには戻れないんだ!!」みたいな展開が出来る

先がわからないのにちゃんと続けたくなる様にしたい

        – 進行しないと開けられないコンポーネントを見たい!というのがモチベーションになった

                – 上記した何かをあるのは知ってるのに内容を知らない、体験出来なかった、というのを避けたくなる気持ち

次にしたかったのはプレイヤーにこの世界の人達感心をもって、大事にして欲しかった

        – 人は名前を付けた物に感心を覚える

                – 名前をつけた事でそれは一部自分のだと思える

        – Pandemicのプレイヤーは役職でキャラを呼ぶ事には慣れている

        – そのキャラに名前や設定を与え、ゲーム中にステータス変化を与えていく事でキャラの背景情報が増えていき、そのキャラに思い入れをしやすくなる

ゲームの進行で問題を与え、それに苦戦した後にそれを解決する為の何かを与え、それに喜んだ所で新たな問題を与えてUp-Downを繰り返している

これを完遂させるにはプレイヤーがゲームを信用する必要があった

        – その為に幾つかのセーフティーネットを用意した

        – ゲームを開けた時に最初に見るのは4回失敗した時に開けるやつ?

                – 何だかわからないけど大事そうなのは感じ取れる

        – プレイテストで失敗を続ける人はやっぱりいて、3回目になるともう棚に戻そうかとなったり、アレ発言が出たり呟いたりし始める

        – これが有る事で、最低ラインみたいな物が出来る

                – 「3回も失敗しちゃったけど、8番を開けずに済んだだけまだ良かった」みたいに

                – あとこれが有る事で、もし4回失敗してもパックを開ける権利が生まれるから未だ良い事有った気になれる

        – 簡単な解決策だったが、入れたおかげで色々助かった

プレイテストとバランス

        – Mattはここ3,4年間はブラインドテスト(ゲームを渡されて勝手に遊んで貰う事?)の時はプレイヤーに自分たちが遊んでる所を録画する様に頼んだ

                – 凄い価値がある情報

                – この場合、大体テストが自宅とかで行われてリラックスした状態でゲームが遊ばれるから自然なリアクションを見るには結構良い方法だった

        – プレイ風景を録画する事で、アンケートとかでは得られない情報を得られた

                – 1か月目が終わった時にストーリーを見た時の反応がかなり悪かったが、その反応はアンケートでは見られない

        – 大体1バージョンが出来た場合は2~4グループを探して遊んで貰う

                – 遊んで貰う度に動画を送って貰う

        – 動画を見て、セッション中に何時何が起こったか、変更点、問題、アイデアをスプレッドシートに書いていった

                – この例では1セッションで730項目出来たとか

                – 誰かが動画内で呟いた事を拾ってそれが最終的に使用された事もあった

        – 色々書くが、ちゃんと区別はしておいた方が良い。良いアイデアを使おうとしても問題点が変わっていたら意味が無いとか色々とあるから

        

        – 検索しに行くやつをドンドンシンプルにして行った・・・?

        – 言葉使い大事(英語特有)

                – 否定語(not) + 複数形? (or)が混ざると間違え始めただかなんだか

                – “6 or 7″と書いてある時にどちらか一つでもと言いたかったのが、どちらもと捉えられる時があった?

                – この影響で、救済用の物が使われるはずの場面で使われず、積んだ時があった

        – 他にも動画が良かったのはコンポーネントをちゃんと扱えるか、ステッカーをちゃんと貼れてるか、ルールを見つけられているか、等を見られた

                – 間違った物や、空けちゃ行けない物を開けているかも確認出来た(今でも起こる事はある。シーズン2では改善したらしい)

                

まとめ:

1. Evoke Story

2. Establish Trust

3. Avoid Blind Spots

Q&A:

Q. 何であんなにカードを破棄させたんや…w 信頼してたのに

A. カードを破棄する事は段ボールを破棄する事と同じだけど、カードは破棄しない様にってトレーニングされてるからね。

破棄はしなくても良いんだけど「これは今後必要ありませんよ、むしろ邪魔になりますよ」っていう我々からのメッセージです。

Risk Legacyの時にあったアイデアだけど、これは1度限りの旅だと認識出来るようにしたかった。リアルマネーを賭けたギャンブルと同じにしたかった

Q. オリジナルのパンデミックの事なんだけど、エピデミック時にカードを下から取る(んだっけ?)が素晴らしい案だと思ったんだけど何処から来たアイデア?

A. 何とかさんの案だったんだけど、テストしてる時に結構盛り上がりにバラつきが有ったから、既に出てる物が出ない様にする為に下からにしたらっていう事でこうなった

Q. “alpha gamer”問題(協力型のゲームで鍋奉行的な事をする人を指す)はLegacy形式にする事で解決出来た?

A. どちらも特に解決しようとはしていなかった。ただ、1つの最善策が無い事はそれを回避する手助けになっているとは思う。

Legacyゲーム自体達人化出来ない様になっていて、毎回新しいゲームを遊んでる感じになるから、沢山遊んだ事ある人が優位に立とうとするのを減らせるかも知れない。

Q. プレイテストでアンケートとか取った?

A. アンケートは取って無い。自発的に振り返りをしたグループがあってそれは役に立ったけど、こちらでは何も用意しなかった。

ただ、偶に質問しに行った事はある。ここで何でこうしたの?みたいなやつで、アンケート形式では無くただの質問で。

Q. ゲームが1度しか遊べない物だったから、その体験がクソ野郎達やネタバレによってクソにされるのをどれくらい心配してた?

A. 今回もRisk Legacyとかでも少し心配はしてた。パブリッシャーがエッセンシュピール初日に合わせて全世界同時発売をしてくれて良かった。

Q. ネタバレありトークは何時ぐらいになったらやる予定?

A. 多分来年ぐらい

Q. プレイヤー人数を気にして何かデザインした?

A. 特に気にして無かった。最初は3人ぐらいがベストかなーって思ってたけど、カップル向けでもあったから意外といけた。

Q. 対人と協力のLegacyゲームのデザインの違いをもう少し教えて

A. 対人は大体勝ってる人を数人でボコる形になりがちなのは分かってた。

最初に始める時にゲームがプレイヤーをボコり過ぎるんじゃないかと心配はしてた。

ただ、1か月終わりにアイテム渡すのと、失敗時にアイテムをさらに渡してリトライさせる要素で9割がた解決出来てはいた。

プレイテストをやる前は上手く行く事を祈りながらやり続けるだけだった

Q. プレイテストを沢山やってたけど、パブリッシャーは素材費払ってくれた?インディー系の人へのそっち系のアドバイス何かない?

A. お互い自宅勤務だから自分たちでやった。金は貰えない。

Q. 複数チームでのゲームは考えてない?

A. 出来たら良いよね

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